地域ポータルサイトが失敗する理由と成功させる方法

実はわたしの会社の設立当初のビジネスプランは「地域ポータルサイト」の運用というものでした。
結果的にそのプラン自体は大いに頓挫して、かなりの方向転換をすることになったわけですが、今回はその失敗理由が有益な情報となるのではないかと思い記事にさせていただきます。

地域ポータルサイトを運営してわかった課題

地域ポータルサイトは運用において以下のような問題点をはらんでいます。
ちなみに、ここでの地域ポータルサイトというのは採算度外視のサイトではなく、そのポータル単独での広告料などによって収益性を持たせるサイトという意味になります。

課題1:制作側の活動コストの高さ

まず大きな課題の一つは制作・運用にかかるコストの大きさです。
地域のポータルサイトである以上、その地域に関する様々な情報を収集してコンテンツ化する必要があります。そのためには、取材のための人間も必要ですし、写真などを撮影するためのスタッフなども必要になります。

また、ポータルに広告費を落としてくれるクライアントも探す必要もあります。
クライアントとなるのは、飲食店、サロン、ショップなど様々ですが、数が多いためそれなりの営業スタッフを抱える必要があります。

また、課題(2)でも指摘しますが、地域ポータルに広告を出稿する会社、店舗はポータルに割くことができる予算は限られています。そのため運営サイドは「数」を確保するしかないわけですが、多くのクライアントを抱えることにより発生するポータルサイトの制作・修正コストや管理コストもバカになりません。

このように、地域ポータルにおいてはその運用のためのコストが他のサイトと比較して高くつくという課題があるのです。

課題2:クライアントのITリテラシー・ポータルサイトへの嫌悪感

課題1で述べたように収益をもたらしてくれるクライアントは小規模であることが多いです。その為、WEB掲載のために専用の人間を配置するわけにはいかないため、どうしてもITやWEBに関するリテラシーが高くはありません。
これにより、制作サイドに多くの負担が寄せられます。

また、クライアントを集める上で大きな課題としてクライアント企業側のWEB掲載に関する嫌悪感というものも挙げられます。
こうした地域ポータルやグルメサイト、エンタメサイト、HP制作会社などから多くの営業をこうした店舗は受けており、それが成功していないことも知っているお店が多いです。
そのため、いざサイトを作っても、それに広告費を支払って掲載するか?といわれても中々OKがでにくいのです。
掲載してもらうためには、一定以上の規模や実績などがどうしても必要になるでしょう。

 

どうしたら地域情報サイトは成功するのか?

じゃあ、地域情報サイト(地域ポータル)というサイトは存在することができないのか?と問われたら必ずしもそうではないといえます。先ほどの課題を解決することができればよいわけです。

CGM化(Consumer Generated Media)

要するにコンテンツを消費者(読者)に作っていってもらう方式です。グルメ系では「食べログ」などがこの方法を採用しています。飲食店の情報を消費者やオーナー自身にWEB上で登録してもらう方法で、細部に運営は関与しません。
地域ポータルの目玉である「コンテンツ」部分を運営が作るのではなく、ユーザーに作ってもらうことによって、運用コストを大幅に節約する事ができます。
結果として、サイトの一部スペースを広告スペースとして利用するなどの方法で上がる収益でも利益を出せる体質を作るという方法です。

一方、この方法で難しいのは「どうやってコンテンツを投稿してもらうのか?」という仕組みづくりが難しいところでしょう。箱だけ作っても、その箱にしっかりとコンテンツを投稿してくれるだけのリーダー的なユーザーが多く存在してくれないことにはコンテンツは育っていきません。
そのための、「魅力」をどうやって作れるのかが、CGM化の課題といえるでしょう。
その魅力はたとえばポイントによるキャッシュバック的な手法もあるでしょうし、コミュニティを作りそれを活性化させることで、金銭的なインセンティブを出さなくても勝手に情報が集まり、形成されることもあるでしょう。

成果報酬型のプランを用意する

地域企業の有料掲載が難しい場合でも「成果」が発生したときだけコストを支払って欲しいという成果報酬というやり方は受け入れられやすいです。
クーポンの利用1件につき100円といったような従量制の課金体系にすれば、いいわけです。とはいっても地域ポータルのように「属地的」なサービスの場合、ネット上で成果をカウントするのはやや現実的ではないので、着地点をどこにするかが課題になります。
手前(WEBより。たとえばクーポンやページの閲覧数)過ぎるとクライアントからすれば有料掲載と変わりませんし、逆に相手側(店舗でのクーポン使用)すぎると運営側の管理が行き届きません。
このさじ加減は難しいとは思いますが、より相手よりに近い部分で成果を運営側が管理できるシステムが構築できるかどうかが重要な要素になるでしょう。

ポータルの収益化よりもポータルを利用した収益を考える

ポータル自身が生み出す収益自体を目的とするよりも、そのポータルに集まる「トラフィック」を別のマーケティングの手段等に活用するというのも一つです。
要するに、地域のユーザー人間が集まる場所という意味で、様々なキャンペーンや仕掛けにサイトを二次利用するという方法です。

地域ポータルということはその「地域」に関連があるユーザーにすでに「ターゲッティング」できているわけです。この強みを生かして、単なるディスプレイ広告から一歩進んだ収益化手段を目指すのも一つです。

SNSでもご購読できます。