家電量販店の凋落とインターネット

家電量販店の王者であるヤマダ電機が7月12日に発表した6月の月次IR情報によると、 グループ全店POSベース売上高は前年同月比32.4%減ということです。店舗数は増えていますので、当然店舗全体で売上がダウンしていることになります。理由は何でしょうか?

理由のすべてがインターネットにあるとはいいません。家電エコポイントや地デジ化をうけて、ドル箱だったテレビの需要が一巡したことも大きいと思われます。
しかしながら、インターネットの影響も非常に大きいとお見ます。特に、エコポイント、地デジの問題は一過性ですが、インターネットの影響は構造的なものです。

Amazon、価格コムとの価格競争

そもそも家電量販店の大きなメリットは「安いこと」。大型出店で町の電器屋さんを量販店が駆逐したのは規模の経済を利用した価格競争力でした。
一方、インターネットの登場は価格競争に大きな問題点を投げかけました。

店舗のある家電量販店では店舗維持費や人件費などに莫大な費用がかかります。一方、インターネットならこうした費用は最低限で済みます。
結果的に、価格競争力は次第にインターネット側へと流れ込んでいっています。

当然ですが、量販店側にも対ネットの戦略はあったものかとは思われます。しかしながら、旧態依然の「価格」を武器にした方向性を転換するには自身の体は巨大すぎでした。

この流れが続けば、家電量販店は、販売店ではなく家電製品展示場のような扱いになってしまう可能性が高いです。実際、量販店をこのような目的で使っている人も多いようです。
こうした使い方はネットがリアルビジネスの家電量販店に対して「ただ乗り」している状態といえますね。
(参考:家電製品の値引き交渉とネットで価格比較

スマートフォンの普及が、こうした動きを加速させているようにも思われます。量販店で商品を見て、その場で価格コムやAmazonで価格を調べるなんてことが簡単にできますからね。
皮肉にも、そのスマートフォンを、テレビに次ぐドル箱として積極販売している量販店。

 

ネットにとって代わられる強みはもはや強みではない

こうしたことから言えるのは、「ネットによって代替可能な強み」というのはリアルビジネスにおいて強みとならないということがいえるでしょう。
単に比較対象が「価格」という数字であれば、どこで買おうと同じです。通販に対する不安も以前よりはかなり小さくなってきました。
商品についてさえ知れば、あとは最安値をネットで探すという選択肢が最も合理的になってしまったわけなのです。

リアルビジネスを行う場合はネットに代替されないサービスを提供する。また、ネットにただ乗りされないビジネスづくりが必要になるものといえるでしょう。

参考:家電量販店比較

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